留学生の就活:日本と北米の就活文化とキャリア論の違い

 

日本での一時帰国

皆さんこんにちは。前回でのブログでも申し上げたんですが、僕は5月から6月まで日本に一時帰国していました。その目的とはズバリ就職活動です。就活といっても本格的というよりは業界研究をメインに行ったというのが正しいニュアンスになるかと思います。そもそも留学生の日本の企業に対する就職活動は国内学生とのそれとはかなり変わった形や時期に行われます。もう既にご存知の方も多いかと思いますが、今回の記事では留学生の概要、特に日本と北米での就活文化の違いにフォーカスしたいと思います。

 

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First of all, why do I want to work for a Japanese corporation?

 そもそもカナダで留学生をやっている自分がなぜ日系企業及び外資日本ブランチへの就職を考えているのかという疑問が挙がるかと思います。これは日本に帰るたびに聞かれるんですが、タカシ君は将来カナダで就職するの?それとも日本に帰るの?という質問をよく頂きます。これに関する答えは正直まだはっきりしていません。はっきりしていないとうと語弊が生じるんですが、もっというとどちらも魅力的という安全な答えに帰着します。ただここで重要なのは日本での就活、キャリア論とカナダのそれらとはかなりスタイルが異なります。

システマティックな日本の就活とフレキシブルなカナダの就活:両者の異なる就活文化とキャリア論

 日本とカナダ。異なる国、環境での就職を天秤にかけたとき、まず目に付くのが就活文化と採用プロセスの違いです。日本の企業の場合はご存知のようにほとんどの企業で採用時期が設定されています。日系企業は経団連が指定するスケジュールに従い、外資でも各社それぞれ採用時期をこの時期からこの時期と指定しています。一方カナダでは基本的に採用時期の固定というのはほとんどありません。(もちろん人気企業の一部ではアプリケーションやレジメの提出時期を事前に指定している企業もある)

 

また日本の企業では採用フローとしてweb上でマイページの登録、テストセンターまたはwebテストの受験を経た後、複数回に渡る面接の実施が一般的です。しかしカナダあるいは北米の一般的な企業ではそうしたフローはほとんどみられません。日本のように新卒一斉採用という制度はとらず各会社がポジションごとに採用するシステムが一般的です。

日本より学歴主義?!アメリカでの新卒就職活動事情 (カナダではなくアメリカでの就活事情ですがわかりやすくまとまっています)

 

上記の特徴から日本の企業は毎年システマティックな制度の下、ある程度の決まった人数の新卒学生をを一斉に採用する一方,カナダやアメリカでは通年採用の下、ポジション別に即戦力を補充するといったスタイルが一般的です。

日本とカナダ:異なるキャリアプラン

上記のように日本とカナダでは就活に関するプロセスや考えが異なります。したがってファーストジョブへの意識も両者では異なる印象を持っています。日本ではシステマティックな就活システムが故にファーストジョブの重要性が比較的高い感覚にみえます。言い換えればせっかく厳しい就活戦線を経て勝ち取った仕事にできるだけ長くいたいというのが一般的な考え方なのとなあと感じます。(もちろん個人によってこの価値観に差異はある)

一方カナダでは日本のようなシステマティックな制度がないため就活自体が個人戦、つまり人それぞれ就活をするタイミングもファーストジョブに対する期待値もバラバラです。また多くの場合ファーストジョブに関してはとりあえずやってみようというスタンスでキャリアを始める人が多い印象を北米では特に感じます。何が言いたいかというと、ファーストジョブの時点では例え自分の第一志望の職種やポジションでなくても1,2年いて、その後より良い仕事やポジションのオファーがあればあっさり転職するという文化が極めて自然らしいです。また企業側も個人のステップアップに繋がる転職であれば割とアッサリと認めてくれるらしいです。今の話はこの間UBCの卒業生とごはんを食べたときに聞いた話に基づくものです。

 

北米での就活スタイル

上記のようにファーストジョブに対する両国の違いから、当然それぞれの就活に対するアプローチは大きく異なります。カナダの場合は先ほども申し上げたように、企業が具体的な採用時期を明記していないため(所謂通年採用)、学生一人一人が好きなタイミングで就活を始めることができます。ただ北米の学生は勉学が忙しいので大抵の場合本格的に就活を始めるタイミングは学部を卒業した後になります。

また北米の企業の多くが大学で学んだことは社会に出た後に実用的に反映されるものという価値観を持っています。したがって北米の多くの大学では学部時代に長期インターンを経験したり、自らスタートアップのビジネスを立ち上げるて学部時代に自らが学ぶ専攻と社会との接点をつくる学生が比較的多い印象を受けます。

UBC では学部ごとにCo-op Program (コーププログラム)という学部時代に一年大学を休学をするかわりに大学が提携する企業で有給のインターンをする機会を提供しています。(いくつかの日本の企業もカナダの学生に対してこのco-opプログラムの機会を提供しています)僕はこのCo-opはやっていないんですが、何人かの知り合いはこの制度を利用して学部時代に1年間フルタイムで働いている、或いは働いていました。したがってUBCやほかの北米の大学では学部4年のところを5年かけて卒業するのは極めて自然な流れとなります。

UBC Co-operative Education (UBCのco-op プログラムのサイト)

 日本の就活システムから企業が望むモノ

一方日本ではポテンシャル採用という言葉があるように多くの企業が学部に関わらず幅広い意味で優秀な学生を一定数獲得しようとする流れがあるように感じます。つまり即戦力ではないかもしれないが育てがいがある学生を好んで獲得するケースが特に新卒採用では多い印象を受けます。このポテンシャル採用、僕は割と好感をもっています。というのも僕の価値観として大学のしかも学部レベルで学んだことが実際の社会やビジネスのケースにおいてダイレクトに影響を及ぼすことは少ないと考えているからです(もちろん理系においては異なるケースがある)。もちろん学部においてもしっかりとやればそのセオリーや体系を間接的に社会に出てから生かせるケースは多いかもしれないですし、多くの企業がそういった部分は評価するはずです。ただ一つ日本に関して疑問があるとするならば、仮に企業がポテンシャル重視で採用するケースが多いとするならば、なぜ多くの日本の大学は入学前に受験において学部を(さらには学科まで)絞らせるのかというものがあります。(この問題は今回の投稿とはズレてしまうのでまた機会があればシェアしたいと思います)

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カナダ(北米)と日本を比較した上で:それでも僕が日本の企業で働きたい理由

 以上の北米と日本での就活やキャリア論の違いを比較すると、僕の現状だと恐らく日本の企業でファーストジョブを求めるケースが現時点での規定路線です。僕のような留学生でも日本の企業で働きたい(あるいは仕事を求めやすい)理由を簡単に挙げたいと思います。

  1. システマティックな日本の就活システムは学生にやさしい 
  2. 日本人としてのアイデンティティが日に日に高まってきている
  3. そもそもビザの問題がある

 まず1に関してはこれは留学生にもシステマティックな就活システムの恩恵があると感じています。ご存知の方も多いかもしれませんが日本の企業への就職を志望する海外大学生にも決められた就活ルート、システムというのが存在します。有名なのはディスコという会社が統括するボストンキャリアフォーラム東京キャリアファーラム。またマイナビさんも留学生用の就活サイトがあり、同じく東京でマイナビ国際派、ニューヨークなどでも就活フォーラムがあります。(ボスキャリや東京キャリアフォーラムの記事は次回投稿します)

CFN | バイリンガルのための就職・転職サイト (ボストンキャリアフォーラムなどを提供するCFNのサイト)

海外留学生とバイリンガルのための就職支援サイト | マイナビ国際派就職 (マイナビ国際派就職EXPOで有名なマイナビ国際派就職のサイト)

 

こういった就活のプラットフォームが留学生に用意されているのは学生としては非常に有難く感じます。というのも北米ではここまで大規模な就活イベント(job fair)は存在しないからです。あったとしても大学ごとのイベントになっておりボスキャリのように200社以上が一斉に集まるといったものはまずありません。こういったプラットフォームを利用して日本の企業にまとめてアプローチできるのは日本ならではのシステマティックな就活システムの凄みなのだと思います。対して北米の学生は基本的に個人で企業にアポをとって自分を売り込まなければいけないのでシンドイです。

 

次に2に関して。これはある程度の期間を留学された日本人の方には分かる感覚だと思うんですが留学先において自分が日本人なんだ!という感覚は日々高まってきているように感じます。日常生活において日本人に会うのはそんなにないですし(それでもバンクーバーは日本人はかなり多い方だか)増して自分が受講していたクラスに日本人はほとんどいませんでした。そうした自分がマイノリティとしての肌感覚がある以上日本人としてのアイデンティティは逆に高まったと感じています。さらにいうと普通に暮らしていると自分はカナダでは留学生、つまり外人なんですね。別に差別とかは幸いにも感じたことはないですけど(バンクーバーはかなりそういって問題に敏感で国籍関係なくどんな人にも基本的にはオープン)、当然ながら選挙権はないし、こっちのジョークは基本意味不明だし(笑)、留学生の学費はべらぼうに高いし、そういった無意識にしていても自分がこの国では外人なんだという意識が良くも悪くも持ちやすい環境に身を置いているんだなあと最近特に感じるようになりました。

 

そういった経緯から自分の国、日本人として活躍したい!と思う感覚が芽生えてきました。別に日本の良さを世界にアピールしたいですなんてキザなことは思っていませんが、日本人として自分の国の経済的な発展に何らかの形で将来絶対に貢献したいという夢というか留学をさせていただいている日本人としての責任感みたいなものは、日本の会社で働きたい動機として働いているかもしれません。

 

最後に3に関して。これは2にも関連するんですが僕はカナダ人でもアメリカ人でもないので北米で働く上では当然就労ビザの問題があります。カナダに関してはBachelor degree (学士)をとれば最大で三年間の就労ビザが発給されるんですが、そもそも3年という期限付きな上にそれ以上働きたければまた別のビザに切り替えなけらば行けないので、、、正直大変そうですね。アメリカさんに関してはもっと大変そうですよね。詳しくはまだ自分もリサーチしていないんであれなんですが、元々ビザ取得のシステムが複雑な上にトランプさんの登場でそれこそ外国人を雇うインセンティブが弱められてきています。

就労ビザ|カナダビザ情報マイルストーン

米国ビザ申請 | 就労ビザ - 日本 (日本語)

 

To sum up, 帰る国があるって素晴らしい!

 長々と就職に関して日本と北米での観点から色々比較しましたが、いかがでしたでしょうか?月並みな言い方にはなってしまいますが両者とも魅力的なキャリアを築いていくことは当然可能です。ただやはり今自分が感じていることは日本人としてのアイデンティティもやはり素晴らしいものがあると、つまり日本という世界第三位の経済大国に生まれ育ったというバックボーンというのは国際的にみてもアドバンテージがある、そういったバックグランドを大切にするのも当然自分の権利としてあるのではないかと感じています。留学生の中にはそれこそ治安、情勢が不安定で国に帰りたくても帰れない、カナダやアメリカでしか仕事ができない理由がある方も多くいます(僕の友人にもシリアや南スーダンからの留学生がいます)。そうではなく自分には帰る国があり、しかもそこでまた新たなチャレンジができる環境にあるというのは大切な財産だと思います。

 

ただこの記事ではあくまで現時点での僕の就職に関するスタンスであり、残りの留学生活で自分の価値観を揺るがす分岐点があるかもしれません。なので出来るだけフラットな目線で自分のキャリアについて考えていきたいと思っています。

 

とはいいつつやはり日本での就職を考えるなら留学生でもそれなりの準備はマストで、その準備は早ければ早いだけ良いのも事実です。次回の投稿では自分のような留学生が日本の企業を受ける際の簡単な概要、プロセスを取り上げたいと思います。久しぶりに長く書いてしまった(汗)最後まで読んで下さった方有難うございました!

f:id:Taka1018:20170716052246j:plain先日イングリッシュベイというビーチの近くでの夕日があまりにも綺麗だったのでシェアさせて頂きます)