Guess Who? It's Dr. Kitagawa !

みなさん、こんにちは。

 バンクーバーは雨季に突入し1週間の大半が雨か曇りという残念な時期に入ってしまいました。バンクーバーの雨季は長く基本的に10月から2月くらいまで続きます。こちらではその時期をRaincouverと呼ぶほどです。とまあ暗いお話はこのへんにして、先月末にとても素敵な方とお会いできたのでそのお話について投稿したいと思います。

みささんはこの方をご存知でしょうか?(右の人じゃないです。左の素敵な女性です)

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Introducing Dr.Kitagawa 

この方をご存知でない方に簡単に彼女の経歴をご紹介したいと思います。彼女のお名前は北川智子さん。4年ほど前に彼女が出版したハーバード白熱教室という本が日本で大ヒットしました。日本人でありながらハーバード大学で日本史の教鞭を取り、当時不人気であった日本史を一気に人気科目へと押し上げた(1年目には16人しかいなかった受講生が3年目には200人越えの超人気授業になりました。)理由や背景を綴ったこの本は歴史関係の本としては異例の売り上げを記録し、その年のベストセラーの1冊にもなりました。またこの本以外にもすでに3冊を執筆されました。

www.shinchosha.co.jp

 ハーバードで3年教鞭をとったのち、イギリスのケンブリッジ大学のニーダム研究所、ドイツのボンにあるマックス・プランク数学研究所の客員研究員として東アジアの数学史を研究され、現在では米カリフォルニア州のカリフォルニア大学・バークレー校の客員研究員として活躍されています。

そんな世界で素晴らしい経歴を残してきた彼女は日本でも執筆活動のみならず盛んに講演活動をされてきました。2012年にはTED Talk に登壇し、ハーバードでの授業の様子を講演されたほか、翌年にはTOKYO FMの未来授業という企画において日本の学生向けに日本史の授業を講演されました。現在でも多くの講演会に登壇せれています。

www.tfm.co.jp

Dr. Kitagawa's Lecture at UBC 

日本でも著名な北川さん。なんで北川さんに会えたの?という質問が上がるかと思います。実は彼女は僕の大学の先輩なんです!(とまあUBCに入ったばかりの自分が言うのも少しおこがましいですが。)北川さんは2003年にUBCを卒業され、Life Science とMathmaticsnのダブルメジャー(専攻が2つ!普通は1つです)なおかつ国際関係を副専攻にという脅威の学部時代を過ごされました。その後同大学にてなんと日本史を専攻で修士を取り、米の超名門大学プリンストン大学にてわずか3年で同科目の博士号を取得されました(普通は5年以上かかるらしい)。

そんなUBC卒の北川さん、先月UBCに講演に来てくださいました。講演のテーマはズバリ、、、

Real and Imaginary Storytelling: How Digital Humanities Construct the Ideas of Historicity (A Case of Japanese History)

とまあ難しそうな響きですね。頑張って訳してみると、”現実と想像上での物語:デジタル人文科学がどのように史実上のアイデアを構築するのか(日本史のケースにおいて)、、、という感じでしょうか。

cjr.iar.ubc.ca

講演の全体の内容は北川さんがハーバードでも人気を集めた一般的な歴史の書物を読みつつテクノロジーを織り交ぜた斬新な授業方法についての紹介をされました。例えば授業後に40分で学生自身が着目した点に関してオンライン上で即席の新聞を作る、授業で習った歴史上の建物や人物に関して3分ほどのオンラインビデオにまとめる、またはポッドキャストにて授業で習ったポイントから自分の考えを録音してまとめるなどのものがありました。

ビデオ制作の課題に関すると、北川さんは学生の良い例と悪い例のものを見せました。最初はどちらも良い印象を受けたのですが、良い例のものは史実を正確に伝えつつ、ビデオ上において生徒のオリジナリティやクリエイティブィティを付け加えていたもの、一方悪いものは、史実の正確さよりは動画上でのクリエイティブティーに特化したものでした。(もちろん見る分には斬新で面白いんですが)北川さんによると後者は動画のクオリティからしたら高いものであるが、そこに触れられている歴史的背景が浅いというようなものでした。この点からは歴史家としての北川さんのこだわりを感じました。ただ斬新なものを作るだけじゃなくて、しっかりとそれを裏付けする歴史的な背景が必要だということでしょうか。

 

また、ポッドキャストの課題に関しては、ビデオと違いビジュアル効果がないなかでいかに史実やそれに基づく学生自身の見解を述べるのかということに焦点が置かれました。ここで面白いなと思ったのはポッドキャストのテーマはHistory of medicine (薬学の歴史)と比較する日本史でした。北川さんが用いる教授法で面白いなと思えるもう1つのポイントが、日本史を日本史としての独立科目として扱わず、世界史はもちろん、薬学の歴史、数学の歴史など理系のバックグラウンドを持たれる北川さんならではの複合的な比較要素を織り交ぜた授業を展開しているとことです。

 

今まで授業を受けてきて世界史までは理解できても、薬学の歴史と同時に日本史を考察するというのは斬新な発想だと僕自身も少し驚きました。

 After Her Lectute: 講演を聴き終えて,"巡り合い"を大切に

今回の北川さんの講演はどちらかというと北米の大学で日本史を教えている講師や教授向けの内容でしたが、それでも北川さんのユニークな歴史観というのは学生側からしてもとても新鮮に感じられるものでした。北川さんが投げかける歴史の色々な見方の一部分をこの講演から少なからず感じることができました。

 

幸運にも10人程度の小規模のセミナー形式の講演でしたので、質問をすることもできました。質問は僕が長年個人的に気になっていたもので、学部時代理系の学生としてライフサイエンスや数学を専攻せれていた北川さんのバックグラウンドは歴史家としての現在の北川さんにどのような影響を与えていますか?というような趣旨の質問をしました。北川さんのお答えは簡潔にまとめますと、

”Thank you for noticing that. I definitely cherish my background as mathmaticain,,,”

”気づいてくれてありがとうございます。もちろん私は理系特に数学家としてのバックグランドを大切にしていて、それが歴史家として私の役にユニークなバックグランドとして役に立っているのは間違いありません。さらに修士取得後にに社会人としての経験もあったのですが、それも研究者として役に立ったのは言うまでもありません。”

 

とのお答えをいただきました。まさに北川さんは僕が憧れている理系も文系にも精通するスマートな人、もしかしたら彼女のレベルになると理系も文系の垣根も関係なくなるほど両者の間で様々なことを相互的に適用することができる方なんだなあと感じました。

 

講演の後は早速自分がお守り代わりとして持っていた北川さんの本にサインを頂き、日本語で個人的な質問もすることもできました。詳細はここでは述べられませんが、将来のアドバイスのようなお答えをしていただいた際の彼女の印象的な言葉を最後にシェアしたいと思います。

 

「自分の将来を決める時に、最初からプランニングせずに、その時その時の巡り合わせ(何かを一生懸命やった結果で)で次のプランの決断をすれば良い」。

 

よく将来のことで悩む際に何年か先までのプランを綿密に立てながら、それがうまくいかなかった場合やうまくいかない可能性に対して悩むケースが多いかと思いますが、北川さんの考えは今とりあえずやってみたいこと、勉強してみたいことを自分のポテンシャルのマックスまで頑張ってみて、十分にやり切るところまできたら次のステップについて考えれば良いとの考えを持たれているのだと感じました。

 

実際北川さん自身も学部時代に日本史の歴史家になるなんていう選択肢は想像もできなかったそうです。逆に言うとそれまで理系分野で力を発揮されたからこそできた、日本史専攻の大学院進学という選択だったかもしれませんね。

Finally, What's Next?

今回は北川智子さんという魅力的な方にお会いできる貴重な機会をいただいたので、このような投稿をさせていただきました。これもUBCという広いコミュニティだからこそできる機会なのかなと感じています。

実際にお会いしてみて、webでのインタビュー記事や彼女自身の本だけからでは計り知れない人としての北川さんの魅力を感じることができました。まさに会ってみないと分からないということですね。

 

さて次回の投稿はうーん、まだ決まっていません(笑)。個人的にはmidetermも終わって少し落ち着いたので、できるだけ定期的に更新できるように頑張ります。ということで、See you guys soon! 

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 (北川さんの著書の一つ「世界基準で夢をかなえる私の勉強方」僕がカナダにいる3年間ずっとモチベショーン代わりに読んでいた1冊です。その本の著者の方に直接しかも同じ大学でお会いできるなんて感激です!これからちょっと気合入れ直して色々頑張ります!)

 

www.gentosha.co.jp